2017年度 公益社団法人浦安青年会議所
第38代理事長 田中孝昌

基本理念・基本方針

【スローガン】

戮力協心(りくりょくきょうしん)
~人財が輝き続けるまち浦安~

【基本理念】

気高き精神性を受け継ぐ
若い先駆者(さきがけ)による
美しい心が織り成す輝く浦安の創造

理事長所信

【はじめに】~世界に比類なき美しい精神性~

古来より日本人は、自然環境の厳しい国の民とは違い、自然とは対峙するものではなく、共生するものとしてきました。自然から多くの恵みを享受し、そうした自然に感謝していく中で、あらゆる自然物に神が宿るとする自然信仰が生まれたと考えられています。このように神道はきわめて多くの神々をもつ宗教であり、これを「八百万の神」と称し、世の中のあらゆるものに神を見出し敬ってきました。「神」と「仏」、教えと教義の違いはありますが、日本古来からの自然崇拝、先祖崇拝に共通する心があり、異教として相対立することはなく、それを寛容に受け入れる共存共栄の心、共生感があったのです。古事記に出てくる八百万の神々が対立することなく共存しているように、全く相反するような個性や異なる世界観のものを同時に存在させるのは、日本人が古くから得意とすることなのです。
浦安の代表的な神社に豊受神社と清瀧神社があります。豊受神社にまつられている神は豊受姫大神(トヨウケヒメノオオカミ)という「稲に宿る神」であり、清瀧神社にまつられている神は大綿積神(オオワタヅミノミコト)という「海をつかさどる神」です。このまちは、稲作技術を持った「土の民」と漁の技術を持った「海の民」という自然の恵みに感謝しながら暮らして来た、きわめて信仰心の篤い人々によって、形作られてきたことを示しています。800有余年の歴史を有する浦安は、相反する「土の民」と「海の民」との共存共栄から始まったのです。浦安人の開放的で人情味のある気質は、日本の伝統精神として、神話でも描かれてきた「和」という平和を愛する精神のもと、受け継がれてきた精神文化なのです。
世界最古の国として先人が大切に育んできた精神性をもって、元町、中町、新町という異なった価値観を互いに受け入れ、和えることで、新たな風土あるいは共通の価値観を生み出し、今まで以上に魅力あるまちとして新たなる歴史の1ページを、未来を担う「うらやすびと」とともに刻んでいくのです。

【自分らしさ】~本当の幸せ~

「侘び」とは、簡単に説明すると、「簡素な様子」や「粗末な様子」という意味です。悪く言うと「貧乏」という意味にもなり、もともとは美意識を表す言葉ではありませんでした。わびが美的感覚を帯びるようになったのは、千利休という日本の茶人が大きく関わってきます。千利休が見出した美意識であるわびとは、質素で簡素な中に生まれる、静寂を美しいと感じる心です。簡素な造りをした茶室の空間と、その中でお茶に精神を集中させて楽しむ時が、非常に美しいのです。そして、わびは必ずしも空間だけに使用される美意識ではありません。茶器などの陶器から、掛け軸のような絵画など、素材や形状に至るまで、質素でありふれたように見える物の中にも、美しさを見出すのです。古来より日本人が紡いできたこの美意識を私たちはいつの間にか忘れてしまったのではないでしょうか。無限の消費と発展を求め、厳しい競争で成り立つこの消費主義社会が私たちにとって本当の幸せな姿なのでしょうか。貧しい人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだともいいます。浪費し、消費することが当たり前な社会において、お金で物を買うという行為は、自分の人生の一定の時間と引き換えていることであり、家族や子どもと過ごす人生の時間を削っているということに気が付いて欲しいのです。消費そのものを否定しているのではなく、かつての日本人が無駄を排した中に心の美しさを見出すことで「幸せ」を感じたように、改めて見直さなければならないのは、私たちの物的充実志向の価値観であり、幸せとは何かについて一人ひとりが自ら考える機会が必要とされている時代なのです。

【子どもらしさ】~心の豊かさ~

「物のあはれ」というのは、いわゆる日本人の美意識を代表する一つの概念だと言っても差し支えないでしょう。しかし、その美意識を明確に説明することは大変困難です。例えば、散りゆく桜、落ち葉、こけに覆われた岩など、生き生きとした自然より、むしろ命が終わるさまに情緒を見出してきたところがあります。この概念は茶道や華道にとどまらず和歌、随筆、俳句や短歌、絵巻や屏風、工芸の題材等日本の文化形成の根源となりました。世界に誇るこれらの芸術は「心の豊かさ」に支えられた日本人の精神性にあるのです。どの文献を読んでも本質を表現することのできないネガティブな美、はかないものを愛する心、これが日本人特有の美しさを形成しているのです。
2014年4月、千葉県企業庁の解散にともない千葉県から浦安市へと様々な財産が移管されました。このことは浦安市の水際線の取り巻く市民環境を大きく価値のあるものに変貌を遂げると考えます。それは生命のゆりかごと言われる多種多様な生物の生命循環の舞台である三番瀬に条件付きで直接触れることができるようになったということです。三番瀬は波、潮の干満、潮流、それに加えて太陽、月、空、風等のすべての自然要素が一体となったドラマチックな空間であり、時間を感じられる場所でもあります。この空間は、次代を担う子どもたちの五感を最大限に刺激し「心の豊かさ」を醸成することができる稀有な空間なのです。豊かな感性は決して学習で得られるものではなく、自発的に考え行動し、楽しむという過程で養われるものです。またベイエリアを見渡しても、最も市民に近い自然形成された干潟は本市が唯一であり、この貴重な市民の財産を環境と調和に配慮しながら、海や水辺の持つポテンシャルを最大限生かし浦安独自の「都市と共生する新しい水辺空間」として創出し、自然と共存しながら、市民が遊び、憩い、心の豊かさを感じる場として活用します。豊かな心は忙しさの中では育ちません。余暇やゆとりの中で自分と向き合うことで育まれます。子どもの健やかな精神的成長を促すには、親子でともに楽しむことを経験するということが大切であり、その結果、内発的動機づけよる家族のライフスタイルに前向きな変化が生まれ、心の成長の好循環につながるのです。これを実現するためには、多様化する市民ニーズに対応する斬新なアプローチが必要なのです。

【浦安JCらしさ】~調和~

一人ひとりがそれぞれに自分の考え、自分の主張を持つということはとても大切なことです。しかし、同時に相手の言い分もよく聞いて、話し合いのうちに他と調和して事を進めていくということも、必要不可欠です。もしもこの「調和」の精神が失われ、それぞれのメンバーが自分の主張のみにとらわれたら、そこには個人的主張だけが残り「和」を乱すことになります。今日の浦安青年会議所の現状をみると、本気で語り合う気概と調和の精神が薄れているかもしれません。「和」の精神とは、優しさをもって相手を尊重し、よりよい解決策へ導くための先人の知恵です。
平成20年に施行された公益法人制度改革法案に対応するため、浦安青年会議所は議論を重ね、公益社団法人格を取得する選択をしてから7年目に入ろうとしています。この間、公益性の追求、財政の透明性、コンプライアンスを遵守した組織運営に努めてまいりました。その中で、時代にあったまちづくりの担い手として、組織にとってどのような環境が最適なのか、市民のニーズに対して真摯に向き合い運動をすすめてきました。より良い社会を実現する強固な組織であるためには、浦安の未来に思いを馳せ、客観的な視点で浦安青年会議所としてのあるべき姿を思い描き、それを実現する最良な組織の姿を考える必要があります。そして、LOMメンバーの意識や感性を、より地域間スケールの視点へと導き、メンバーの更なる意識高揚からLOMの活性化へとつなげる意識変革の機会を設け、経済・文化等に関する交流を行うことによって、メンバー同士の理解と友情を深め、更に地域社会の産業、文化、教育の発展に対して国家的視野にたった地域間の親善と友好を築くことが必要です。新しい価値観に触れたメンバーが、浦安青年会議所を一層地域に必要とされる組織へと成長させます。また、先の大戦において敗戦国となった日本に対し、GHQが遂行したプログラムは日本の精神的な背骨を完全に抜くことでした。その背骨とは「古事記」「日本書記」による神話教育です。結果として戦後70年を経て、日本人は日本人としての誇りと矜持を失いかけている状況となっています。より良い地域社会の実現のために活動する私たちは、国家が自分や自分の属する社会・集団にとってどのような存在であるのか、体験を通じて理解する必要があります。国家を知らずして地域を語ることはできないのです。

【JAYCEEらしさ】~信頼~

目に見えないものは、目に見えるものより大事なことが多いものです。そして、その「見えないもの」を見る方法があります。「人の心」は目に見えませんが、「心遣い」は目に見えます。「人の思い」も目に見えませんが、「思いやり」という形で見ることができます。また「気」という見えないものも同様に、「気配り」という形で見ることができます。そういう目に見えないものを、さまざまな形で見る。これが「配慮」であり、目に見えないものを大切にする価値観は国際社会からも称賛されるに至りました。「信頼」も同様に目に見えることはありませんが「この人の言うことなら絶対に信じられる」という関係を築くためには、一人ひとりがJAYCEEとしての気概と誇りを携えて活動し、誠実で意欲のある姿勢を示すことだと考えます。困難の中にこそ無限の可能性・機会がある青年会議所の根本は、仲間との信頼関係といっても過言ではありません。人は人によって磨かれ、ともに成長し続けることができます。そして、まちづくりのリーダーとなり能動的に活動するには、日々切磋琢磨しながら信頼できる仲間が必要です。この仲間を重んじることは、諸先輩から脈々と受け継がれてきた浦安青年会議所らしさの一つでもあります。入会の浅いメンバーは、経験を積んだメンバーの背中を見ることで成長できる、それが自然なカタチとなったとき、一致団結した強固な信頼関係が育まれます。それはやがて大きな運動となって、地域・市民からより一層必要とされる組織となり、未来を創造していくはずです。そして、JC運動をより大きく展開させるには、常に同じ想いの仲間を求めて積極的な会員拡大を行うことが不可欠ですが、男女比のバランスについても考えていかなければならない時代となりました。社会的環境の変化に伴い、会社や団体、政治の分野においても年々活躍する女性が増えており、女性ならではの視点は各分野において重要視され、これからもさらに活躍する方たちが増えていくでしょう。しかし、日本青年会議所では女性会員の割合が約7%、浦安青年会議所では会員の約10%となっており、平成28年度の国家公務員の採用者に占める女性の割合が約35%と比較すると決して多いとはいえません。市民ニーズを正しく分析し、運動を進めていくには女性ならでは視点や考え方がとても大切なのです。青年会議所のメンバーは活動期間が40歳までと決まっており、私たちの日々の生活の中で、家族、仕事、趣味と最もt多忙な時期を過ごす生産年齢世代です。特に女性は出産適齢期にあたる年代でもあり、女性が出産、子育てをしながらでもJC活動を行える組織環境を整えていく必要があります。さらに、会員拡大をはかる一方で、仲間を減らさないことも大切なことであり、メンバー同士が委員会の垣根をこえてコミュニケーションを図り、楽しめる工夫を取り入れていきます。

【むすびに】~戮力協心~

私の掲げたスローガン「戮力協心」とは、一致協力して物事に取り組むという意味です。「戮力」とは力を合わせること、「協心」とは心を乱さず調和を図ることです。青年会議所の運動は一人では決して展開できません。メンバー一人ひとりがそれぞれの役割を理解し、それを全うしたとき初めて理想の運動が展開できるものと考えています。浦安青年会議所は今、経験豊かな人財の卒業とLOMの若返りが進み世代交代とも言える時を迎えています。組織にとって人財の流出はピンチですが、同時にチャンスでもあります。この時をチャンスと捉え、若いメンバーの新しい息吹を吹き込むことで組織はより一層輝きを増します。また、大事な要素として楽しさをメンバーに感じてもらわなければメンバー自身が自信を持ってJC活動を説明できないでしょう。メンバー自身が楽しさを感じていればそれは市民にも伝播し、魅力的な組織として輝き続けるでしょう。困難な状況だからこそメンバーが一丸となり運動を進めていくことで、絆はより深まり、強固な組織となるものと確信しています。